北アルプス 薬師岳


2023922日~24

L田中(記)、湯川、向浦、竹田

 

一日目 和歌山0330➡折立1120→三角点1325→太郎平小屋1555(泊)

二日目 太郎平小屋0628→薬師峠→薬師平0740→薬師岳山荘0845→避難小屋→0955山頂1040→薬師岳山荘115013:35太郎平小屋(泊)

三日目 太郎平小屋06401040折立登山口➡和歌山

折立に来るのは三度目だ。

初めて折立に来たのは「黒部五郎岳」に登ったときだ。その初回の折立から太郎平までの遠かったこと!きついというよりとにかく長かったという記憶しかない。

薬師峠でテント泊だったので荷物も多かった。たしか二泊の予定だったと記憶している。

「雲ノ平」を間近に見て「次はここに行きたい!」と思った。

二度目は、その憧れの「雲ノ平」から「鷲羽岳~黒部五郎岳~太郎平」周回コース三泊だった。雲ノ平は大きくて、アルプスのふところの深さに感動した。しかし三泊のテント泊はさすがに疲れはてて、太郎から折立までの下山も、ただただ足元を見つめて黙々と歩くばかりの長くて退屈な時間だった。

ただ、この四日間は常に「薬師岳」の圧倒的な存在感を意識せずには居られなかった。

どこにいても彼女はどっしりと構えて私たちを見守っている気がした。北アルプスの女王というキャッチフレーズも気に入った。

「次は薬師岳だ!」

ほんとうは立山の室堂から五色ヶ原を経て薬師岳まで縦走したかった。けれど年を重ねるごとにその可能性から遠ざかる。今回は薬師岳ピストンでもいいよ、と仲間が集ってくださり念願かなうこととなった。

 

一日目 覚悟していた折立からの長い登りだったが、5日前にトレーニング山行をしていたのでそうつらくない。ではあっても樹林帯での二時間弱は滝行のような汗をかいた。熱中症にそなえてこまめに水分補給をした。

樹林帯を抜けて視界がひらけると左手に薬師岳が現れる。前回もその前も、こんなに早い段階で姿が見えていたことなど、まったく気付いていなかったところをみると少しだけ何かわかってきているところもあるのかも・・・。西側から見る薬師岳の、森林限界を越えた斜面は早くもうっすらと草紅葉で彩られている。さすがに3000m級の山だけある。

それにしてもとにかく暑い!早く太郎平小屋に着きたい!はるか前方にその屋根の一部が見えて「やったー!」と喜ぶもそれはまたたくまに姿を隠してしまい・・・「幻覚やったん?」と意気消沈したがシニア四人組は少なくとも元気はいっぱい。

とちゅう、薬師岳の奥の方になにか見覚えのある山容の山が見える。「まさか剱岳?」しかし、ここから剱岳が見えるなんていう標示はどこにも無く・・・。(あとで昭文社のコースガイドを読んだらたしかに書かれていた)


到着は計画書の予定時間よりも早くて正直ほっとした。部屋も四人だけの個室でくつろぐことができた。

二日目 晴天。薬師峠までの木道にさしかかった時、前方から来たカップルから「雷鳥がいた」との情報をうけて一気にテンションが上がり、その次に出合った単独の女性に「雷鳥に会えましたか?」と聞いた。すると彼女は「いいえ」と首を横にふったがその顔はとても小さい美人さんの若い欧米人だった。日本語がわかるみたいだと、勝手にひとりで盛り上がってしまって、雷鳥が居たと聞いたけれど、居なかったの?残念でしたね、などと、ほんとうに通じていたのかどうか・・・彼女と別れて数分後に雷鳥の親子に出合った。ひとしきり写真を撮って歩きだすとまた単独の女性とすれ違ったので「雷鳥がいましたよ」と声をかけると、彼女もまた欧米の若い女性。しかし彼女には「雷鳥」が伝わらない様子。北陸本線の「雷鳥」と「サンダーバード」を思い出してサンダーバードと言ってみたが全く通じず。なんとか手振り身振りでやっと伝わった。後でグーグル先生に聞いたら「雷鳥」はロック・ターミガンと言うらしい。サンダーバードは「ジャパニーズイングリッシュ」なんだって。

それにしても一年ぶりの雷鳥との出合いは感激である。喜び勇んで薬師峠に到着。まだまだ元気な四人はカラフルなテントたちを横目にさっそうと、樹林帯の急登に挑む。

樹林帯を終えると一気に視界が広がった。薬師平だ。いろいろなケルンが目を引く。


薬師峠から薬師岳山荘までの標高差400mぐらいの道のりはただただ長かった。山荘まで来ると稜線のてっぺんになにか建物らしいものが見えた。先客に聞くと頂上だと言うが、そんなわけはないぞとわたしは密かに自分をけん制した。大体においてこういう所での頂上はその奥の、そのまた奥だったりするものだよ^^ 果たしてその建物は「壊れた避難小屋」だった。

それよりも驚いたのは、薬師岳山荘から見上げた斜面だ。何一つ植物やハイマツのない裸の斜面なのにルートが見えないのだ。それは、斜面を覆っているざれざれの大つぶの砂と、踏みあとの地面がほとんど同じ色だったから。利尻岳のざれた登山道を思い出した。


避難小屋からピークまではほぼ水平の天空歩きだ。山頂の薬師如来さまに安全を祈念して、まだまだ元気いっぱいのシニア4人組は、足元も軽く無事太郎平小屋に戻った。

小屋に着いたとたんホッとしたら急激におなかが空いて^^カレーをぺろりと食べて、湯川さんに驚かれた。もちろんビールもいただいた。夕食も。

これからはもう年齢的に大型の山行はできそうにないが、細く長くぼちぼちと山歩きを続けて楽しんでいきたい。せっかく善き仲間に恵まれているのだからと思う。

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